毎年、年が明けると「今年のふるさと納税、どうしようかな?」とスマホを片手に返礼品を眺めるのが、私のささやかな楽しみになっています。
年末ギリギリまで悩んで駆け込みで寄付をした方は、ワンストップ特例の申請も終えて、ほっと一息ついている頃かもしれませんね。
そんな ふるさと納税 ですが、2025年の制度変更(ポイント付与の禁止)に続き、2026年10月にも新たな制度改正が予定されている ことをご存じでしょうか。
「また変わるの?」「今度は何が厳しくなるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
ですが、今回の改正は単なる“改悪”ではなく、ふるさと納税が本来の趣旨に立ち返り、より信頼できる制度になるための見直しだと思います。
この記事では、
- 2026年10月のふるさと納税改正で何が変わるのか
- 寄付する私たちにどんな影響があるのか
- これからどう返礼品を選べばよいのか
を、できるだけわかりやすく・正確に解説します。
2026年10月のふるさと納税改正|押さえておきたいポイントは2つ
今回の制度改正(※現時点では総務省が示している「改正案・方針」段階)で、寄付者が特に知っておきたいポイントは大きく次の2つです。
- 返礼品の「地場産品」基準が、より明確・厳格になる
- 募集にかかる費用の透明化が進む
一見すると難しそうですが、要するに「もっと地域のためになる、安心して寄付できる制度にしよう」
という方向性です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なぜ何度も改正されるの?ふるさと納税の「本来の目的」
ふるさと納税は何のための制度?
ふるさと納税は、2008年にスタートした制度で、「生まれ故郷や応援したい自治体を、自分の意思で支援できる仕組み」として始まりました。
私たちが自治体を選んで寄付をすると、
- 寄付金は地域の課題解決や活性化に使われる
- そのお礼として、地域の特産品などが返礼品として届く
というのが基本的な考え方です。
単なる「お得な制度」ではなく、地域を応援する気持ちが前提にある制度 なんですね。
行き過ぎた返礼品が問題に
一方で、制度が広がるにつれて自治体間の競争が激化し、本来の趣旨から外れた返礼品も問題視されるようになりました。
- 地域と関係の薄い商品券や家電
- 他地域で作られた商品を、形式的に地元加工とした返礼品
こうした状況を受け、総務省はこれまで何度も制度を見直しています。
- 2019年:返礼品は「地場産品」、調達額は「寄付額の3割以下」
- 2023年:地場産品基準の厳格化
- 2025年10月:仲介サイトのポイント付与禁止
そして、その流れの延長線上にあるのが2026年10月に予定されている今回の改正です。
【ポイント①】返礼品の「地場産品」基準がより厳格に
今回の改正で、寄付者にとって最も影響が大きいのが地場産品基準の明確化・厳格化 です。
「価格に基づく算出」が原則に(予定)
改正案では、返礼品の「付加価値」がどこで生まれているかを判断する際、価格に基づく算出を原則とする方針 が示されています。
これまで自治体ごとに判断が分かれやすかった部分を、より客観的に評価できるようにする狙いがあります。
製造・加工品は「価値の過半」が地域内で生じていることが必要
製造・加工品などの返礼品については、次のような対応が求められる予定です。
- 返礼品を製造・加工する事業者が、その返礼品の価値の過半が区域内で生じたことを証明する
- 地方団体(自治体)が、その証明内容を返礼品提供開始日までに一覧で公表する
つまり、「地元で少し手を加えただけ」ではなく、「その返礼品の価値を生み出す主要な工程が、本当にその地域で行われているか」が、より明確に問われるようになります。
※なお、これらは 2026年10月施行予定の指定基準見直し案 に基づく内容で、今後細部が調整される可能性があります。
寄付者への影響は?
メリット
- 本当の意味で「その地域ならでは」の返礼品が増える
- 産地偽装のリスクが減り、安心して寄付できる
デメリット
- これまで選べていた一部の加工品が、返礼品から外れる可能性がある
個人的には、寄付金が地域の産業や雇用にしっかりつながるという点で、とても前向きな改正だと感じています。
実際に起きた産地偽装問題と、今回の改正への期待
過去には、ふるさと納税の返礼品を巡って産地偽装が問題となったケース もありました。
私自身、過去に寄付した自治体がこうした問題で報道され、とても残念な気持ちになった経験があります。
今回の改正で、
- 事業者による証明
- 自治体による公表
が義務付けられる方向になれば、こうした問題が起こりにくくなるはずです。
寄付者が返礼品の背景やストーリーを理解した上で応援できる制度に、一歩近づく改正だと期待しています。
【ポイント②】募集費用の透明化で、もっと安心できる制度へ
もう一つの重要なポイントが、募集にかかる費用の透明化 です。
返礼品の「一般販売価格」の明確化(予定)
改正案では、返礼品について
- 一般販売価格を基準とした情報の明確化
- 調達費用の妥当性が確認できる仕組み
が求められる方向性が示されています。
これにより、
- 不当に高い調達価格
- 寄付金が過度に返礼品や手数料に使われる状況
を抑制する狙いがあります。
寄付金はどれくらい地域に使われている?
総務省の調査によると、令和4年度のふるさと納税受入額は約9,654億円。
そのうち、
- 返礼品調達費
- 送料
- ポータルサイト手数料
などの募集に要する費用は約4,258億円(約44%) でした。
費用の透明化が進めば、より多くの寄付金が子育て支援、インフラ整備、地域振興など、本来の目的に使われることが期待されます。
2026年10月改正に向けて、寄付者ができる3つのこと
① 応援したい「地域」や「想い」で選ぶ
これからは、
- なぜこの地域を応援したいのか
- 寄付金が何に使われるのか
という視点で返礼品を選ぶ楽しさが、より大きくなります。
② 加工品は「どこで価値が生まれているか」を意識する
原材料の産地だけでなく、
- どこで加工されているか
- どんな工程で作られているか
を見るクセをつけると、改正後も安心して選べます。
③ 気になる返礼品は早めにチェックするのも一案
改正により、ラインナップが変わる可能性もあります。
「どうしても欲しい返礼品」がある場合は、2026年9月までに寄付するという選択も一つです。
まとめ|2026年の改正で、ふるさと納税はもっと健全に
2026年10月に予定されているふるさと納税の制度改正は、
- 地場産品基準の明確化・厳格化
- 募集費用の透明化
を通じて、寄付者と自治体の信頼関係を強化するための改正だと思います。
ルールが厳しくなる一方で、「本当に地域を応援できる制度」へと進化していく、そう考えると、これからのふるさと納税は今まで以上に“選ぶ楽しさ”のある制度になるのではないでしょうか。
私自身も、これからは「どれだけお得か」だけでなく、「どんな地域を応援したいか」を大切にしながら寄付をしていきたいと思います。
