「40代にもなって、貯金がまったくないなんて…私だけかも…」
夜、一人で通帳やアプリの残高を見て、落ち込むことはありませんか?周りの友人は家庭を築いたり、キャリアアップしたりしているように見えて、焦りと孤独感に押しつぶされそうになる…これ、私のことです。
不安は貯金ではなくならないかもしれませんが、少しでも家計を立て直し、なんとかなりそうに変えることができたら嬉しいですね。
若い頃、もっと貯金しておけば良かったと常に反省している浪費家の私でも、家計の見直しとちょっとした行動の工夫で「絶対ダメだ!」から「なんとかなる!」と思えるようになりました。

この記事はこんな方におすすめです。
・40代で貯金がない。
・貯金はできても不安が無くならない。
・家計を見直したいけど、何から始めて良いかわからない。
40代独身女性の貯蓄額「平均」と「中央値」の違いとは?
お金の話でよく出てくる「平均」と「中央値」。この二つの言葉の違いを知ることが、リアルな状況を正しく知るための第一歩です。
- 平均値: 全員の貯金額を合計し、人数で割った金額。一部のすごくお金持ちの人がいると、グッと金額が引き上げられてしまいます。
- 中央値: 貯金額を少ない人から多い人へと順番に並べたとき、ちょうど真ん中にくる人の金額。こちらの方が、より「普通」の感覚に近いリアルな数字と言えます。
つまり、私のような「普通」の生活をしている人間が参考にすべきは、中央値の方なのです。
金融広報中央委員会の調査データを読み解く
では、実際のデータを見てみましょう。金融広報中央委員会が毎年行っている「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年)の単身世帯調査によると、40代の金融資産保有額は以下のようになっています。
【40代・単身世帯の金融資産保有額(令和5年)】
金融資産を保有している世帯 | 金融資産を保有していない世帯を含む | |
平均値 | 817万円 | 511万円 |
中央値 | 200万円 | 40万円 |
(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査]令和5年調査結果)
どうでしょうか?平均値を見ると「みんなそんなに持っているの!?」と驚くかもしれませんが、より実態に近い中央値は40万円です。この金額を見て、少し現実味が湧いてきませんか?
「貯金ゼロ」の割合は?実はあなた一人じゃない
さらに、同じ調査で「金融資産を保有していない」と回答した、つまり貯金ゼロ世帯の割合も見てみましょう。
- 40代単身世帯の貯金ゼロの割合:35.8%
この数字は、40代で一人暮らしの人の約3人に1人は貯金がゼロということを示しています。
これは正直驚きでした。もちろん、安心しきって良い状況ではないですが。でも、自分を責めすぎる必要はないのかなと思えました。多くの人が同じような悩みを抱えながら、今を生きているんだなと、少しやる気が湧いてきました。
なぜ40代で貯金ゼロになってしまったのか?私が陥った3つの落とし穴
データをみて少し安心したところで、少しだけ過去を振り返ってみませんか?なぜ、今の状況になってしまったのか。私自身の経験から、多くの40代独身女性が陥りがちな3つの落とし穴を告白します。
- 「まだ大丈夫」という根拠のない自信
20代、30代の頃は、仕事も楽しく、稼いだお金は趣味や旅行、ファッションに使うのが当たり前でした。「いつか本気を出せば貯められる」「結婚したら変わるかも」なんて、根拠のない自信があったんです。気づけば40代。その「いつか」は来ませんでした。
- ストレス解消のための「ご褒美消費」
仕事のプレッシャーや人間関係のストレスがたまると、「頑張ってる自分へのご褒美」と称して、ついコンビニスイーツやデパコス、ちょっと高めのランチにお金を使っていました。その瞬間は満たされるけれど、それは一瞬の快楽。月末には罪悪感だけが残る…この繰り返しでした。
- 他人軸での「見えない支出」
友人との付き合いや冠婚葬祭、SNSで見る「キラキラした生活」への憧れ。断れずに参加した飲み会や、見栄を張って買ったプレゼントなど、「自分が本当にしたいこと」ではなく、「人からどう見られるか」を気にした支出が、ボディブローのように家計に効いていました。
あなたにも、思い当たる節はありませんか?私は思い当たるものばかり。原因がわかれば、対策も立てやすくなります。過去の自分を責めるのではなく、「なるほど、これが原因だったのか」と客観的に受け止めることが大切です。
貯金ゼロから脱出!私が実践した家計再生5ステップ
ここからは、浪費家でズボラな私でもできた、具体的な家計再生術を5つのステップでご紹介します。難しいことはありません。一つずつ、できることから始めてみましょう。
ステップ1:現実と向き合う「家計の見える化」から始めよう
貯金ゼロから抜け出す最初のステップは、「自分が何にいくら使っているか」を正確に知ることです。耳が痛いかもしれませんが、これが一番大事。でも、家計簿って続かないですよね?私も何度も挫折しました。
大切なのは、以下の3つをセットで行うことです。
- 家計簿をつける
- 毎月、振り返りをする
- 翌月の予算を立てる
これをやらないと、ただの記録で終わってしまいます。「予算内で生活する」という意識を持つことが、すべての始まりです。
挫折しない!私がたどり着いた楽天経済圏でのシンプル家計簿術
いろんな家計簿アプリを試した結果、私がたどり着いたのは「楽天経済圏での一元管理」でした。
- 支払い: 普段の買い物は「楽天ペイ」、固定費やネットショッピングは「楽天カード」に集約。
- 管理: 「楽天カードアプリ」や「楽天ペイアプリ」の家計簿機能で自動で記録。
こうすることで、現金をほとんど使わなくなり、支出が勝手に記録されていきます。マネーフォワードMEなども有名ですが、楽天のサービスを主に使っている方なら、この方法が一番シンプルで管理しやすく、ポイントも貯まるのでおすすめです。
ステップ2:我慢いらずで効果大!固定費の徹底見直し
節約と聞くと「食費を切り詰める」「欲しいものを我慢する」といったイメージが強いですが、実は一番効果があってラクなのが「固定費の見直し」です。一度見直せば、あとは何もしなくても毎月ずっと節約効果が続きます。
スマホ代と保険料、ここを見直すだけで年間〇万円の差に!
私が真っ先に見直したのは、この2つです。
- スマホ代: 大手キャリアから楽天モバイルに変更。データ使い放題の「楽天最強プラン」にしたことで、家のWi-Fiも解約でき、通信費が劇的に下がりました。これだけで年間約6万円以上の節約に!
- 保険料: 独身の私に、本当に高額な死亡保障は必要?医療保険も、今の保障内容で十分?と見直しました。保険は複雑なので、無料の保険相談などを利用して専門家の意見を聞くのも手です。私はこれで月6,000円、年間7万円以上の支出をカットできました。
この2つだけで、年間12万円以上のお金が浮いた計算です。このお金があれば、貯金もできるし、未来への投資もできますよね。
ステップ3:ストレスフリーで続ける「ゆる節約」のコツ
固定費を見直したら、次は変動費に目を向けます。でも、無理は禁物。ストレスが溜まると、リバウンドして散財してしまうのがオチです。私が実践して効果があった「ゆる節約」のコツを2つ紹介します。
「作り置き」と「欲しいものリスト」で食費と衝動買いを撃退
- 作り置き&食事のパターン化: 食べることが大好きな私にとって、食費の節約は最難関でした。そこで始めたのが「週末の作り置き」と「平日の食事メニューのパターン化」。朝はプロテインとバナナ、昼は作り置き弁当、夜は作り置き+納豆ごはん、のように決めてしまうのです。毎日「何食べよう?」と考える時間も減り、無駄な買い物がなくなり、食費が月1万円以上減りました。
- 「欲しいものリスト」で衝動買いストップ: ネットサーフィン中に「これ欲しい!」と思っても、すぐにはポチらない。スマホのメモ帳に「欲しいものリスト」を作り、いったんそこに書き出します。そして1週間寝かせる。すると不思議なことに、1週間後には「あれ?これ、そんなに必要ないかも」と思えるものがほとんど。この習慣で、無駄な洋服や雑貨を買うことがなくなりました。
浪費の癖に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。


ステップ4:月1万円からでもOK!「先取り貯金」を仕組み化する
「余ったら貯金しよう」では、お金は一生貯まりません。鉄則は「給料が入ったら、先に貯金する」こと。これが「先取り貯金」です。
給料日すぐが鉄則!ズボラな私でもできた自動積立の方法
意志の力に頼ると失敗します。大事なのは「仕組み化」すること。
- 給与振込口座とは別に、貯金専用の口座を作る。
- 給料日に、給与振込口座から貯金専用口座へ自動で一定額が振り込まれるように設定する。(銀行の自動送金サービスや、会社の財形貯蓄制度などを利用)
金額は、最初は毎月1万円でも、5,000円でも構いません。まずは「自動的に貯まっていく」という仕組みを作ることが重要です。貯金専用口座のお金は「ないもの」として生活する。これを続けるだけで、1年後、2年後には確実にまとまったお金ができています。この「貯金がある」という事実が、何よりの心の安定剤になります。
ステップ5:未来の自分を助ける「自己投資」という考え方
節約や貯金でお金を守ることも大切ですが、同時に「稼ぐ力を高める」ことも考えていきましょう。40代からのキャリアアップや転職は、決して遅くありません。そのために有効なのが「自己投資」です。
知らないと損!私が活用したハローワークの「教育訓練給付制度」
スキルアップしたいけど、スクールに通うお金がない…そんな時にぜひ活用してほしいのが、「教育訓練給付制度」です。
これは、厚生労働大臣が指定する講座を受講し修了した場合、支払った費用の最大70%(上限あり)が国から支給されるという、働く人のための素晴らしい制度です。
私もこの制度を使って、Webデザインやマーケティングの講座を受講しました。新しいスキルが身についたことで自信につながり、収入アップも実現できました。ハローワークのサイトや窓口で簡単に調べられるので、ぜひチェックしてみてください。知らないだけで、数十万円も損をしてしまうかもしれません。
私は一般教育訓練をすでに3回くらい使っている気がします。
スキルアップ、資格取得には持ってこいの制度です。
また、専門実践教育訓練の場合、70%ものお金が戻ってくるのでこれは大チャンスだと思います。下記の記事も参考にしてみてください。


50代、60代に向けて…老後の生活費と年金の不安を解消する
家計が整い、少しずつ貯金ができるようになったら、次はもう少し先の未来、老後のことにも目を向けてみましょう。「まだ早い」なんてことはありません。早く始めるほど、後がラクになります。
独身女性の老後に必要なお金はいくら?シミュレーションしてみよう
総務省の家計調査(2023年)によると、65歳以上の単身無職世帯(女性)の1ヶ月の消費支出は約14.9万円です。
項目 | 金額 |
食料 | 37,288円 |
住居 | 13,017円 ※持ち家率が高いため低い |
光熱・水道 | 14,891円 |
家具・家事用品 | 6,505円 |
被服及び履物 | 3,962円 |
保健医療 | 9,079円 |
交通・通信 | 12,986円 |
教養娯楽 | 15,373円 |
その他消費支出 | 26,462円 |
合計 | 149,562円 |
(出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」)
賃貸だともう少しかかります。これに対して、もらえる年金はいくらでしょうか?「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自分の見込額を確認できますが、例えば国民年金だけなら満額でも月約6.8万円(令和6年度)。厚生年金に加入していた期間や収入によりますが、毎月赤字になる可能性は高いです。
この不足分を、貯蓄や退職金で補っていく必要があります。賃貸住まいなら、さらに住居費がかかることも忘れてはいけません。まずは自分の状況を把握し、どれくらいのお金が必要かを知ることが不安解消の第一歩です。
今からでも間に合う!iDeCoと新NISAの始め方【初心者向け】
「老後資金なんて、とても貯められない…」と諦めないでください。日本が用意してくれた、おトクに資産形成ができる制度があります。それが「iDeCo(イデコ)」と「新NISA(ニーサ)」です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):
- 特徴: 自分で掛金を出して運用し、60歳以降に受け取る「じぶん年金」。最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になること。つまり、毎年の所得税や住民税が安くなります。
- 注意点: 原則60歳まで引き出せません。
- 新NISA(少額投資非課税制度):
- 特徴: 2024年から始まった新しい制度。年間最大360万円までの投資で得た利益が、一生涯非課税になります。
- メリット: iDeCoと違って、いつでも引き出し可能。住宅購入や急な出費など、老後資金以外の目的にも使えます。
40代からでも、月々5,000円や1万円といった少額から始めることで、税金のメリットを受けながら、将来のために効率よくお金を育てることができます。まずは証券会社のサイトなどで無料の口座開設から始めてみましょう。
40代貯金ゼロでも大丈夫!未来は今からの行動で変えられる
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
40代で貯金ゼロ。その現実は、確かに厳しいかもしれません。でも、それは「終わり」ではなく「始まり」の合図です。
かつての私も、将来に絶望していました。でも、家計を見える化し、固定費を削り、小さな節約と貯金を積み重ねることで、景色は確実に変わりました。「絶対ダメだ」が「なんとかなるかも」に変わり、そして「これなら大丈夫」という自信に変わっていったのです。
大切なのは、完璧を目指さないこと。そして、他人と比べないこと。
あなたのペースで、今日からできることを一つだけ始めてみてください。
- スマホの家計簿アプリをダウンロードする
- スマホの料金プランを見直してみる
- 今週末の作り置きメニューを考えてみる
その小さな一歩が、5年後、10年後のあなたを助ける大きな力になります。
未来は、過去や他人ではなく、今のあなたの行動で変えられます。一緒に、明るい未来を作っていきたいですね。