「このままの働き方で、私の人生、本当に大丈夫なのかな…」
もしあなたが今、そんな漠然とした不安を抱えているなら、この記事はきっとあなたのためのものです。
私自身、就職氷河期世代のど真ん中。ふと自分のキャリアを振り返り、何もないなと強烈な焦りを感じました。新卒の就職活動では何十社も落ち続け、やっと見つけた仕事も非正規雇用。気づけばスキルと呼べるものもなく、ただ時間だけが過ぎていく毎日。このままでいいのかという焦りとの葛藤の日々。
この記事では、そんな私がどうやって今の転職への一歩を踏み出したのか、その実体験と具体的な方法をお伝えします。

この記事は次のような方におすすめです。
・氷河期世代で転職を考えている方
・氷河期世代でスキルアップを考えている方
・氷河期世代で就職を考えている方
国の支援を賢く活用し、自分の人生は今からでも変えられます。
「このままでいいの?」私と同じ悩みを持つあなたへ
私はいわゆる「氷河期世代」です。これといったスキルもなく、目標や目指すキャリアもなく、ただ目の前の仕事をしてきた日々。でも、心の奥底ではずっと叫んでいたのです。
- 「このままでいいはずがない」
- 「いつまでこんな不安定な働き方を続けるんだろう」
- 「もっと稼いだら違う世界があるのではないか…」
特に30代後半から焦りがピークに達しました。40代という大きな節目を前に、専門スキルなし、目指すキャリアもない。このままで良いのか。そう焦り続けても何もできませんでした。でも40を過ぎて諦めかけていた時に、国のリスキリング講座を知り、動き出す最初のきっかけになったのです。
データで見る氷河期世代のリアル|不遇だったのは、あなたのせいじゃない
私たちが感じているこの「生きづらさ」は、決して個人の努力不足だけが原因ではありません。客観的なデータが、その事実をはっきりと物語っています。
内閣官房の「就職氷河期世代支援に関する行動計画2023」によると、就職氷河期世代(現在おおむね30代半ば~50代前半)のうち、不本意ながら非正規雇用で働く人は約50万人もいるとされています。
項目 | 詳細 |
対象世代 | 1993年~2004年に学校卒業期を迎えた世代が中心 |
時代背景 | バブル崩壊後の景気後退で、企業の採用が極端に絞られた「超・就職難」の時代 |
現状 | 正規雇用の機会を逃し、非正規で働く人が他の世代より多い傾向 |
非正規の理由 | 「正規の職員・従業員の仕事がないから」と答える割合が他の世代より高い |
(出典:内閣官房 就職氷河期世代支援推進室、総務省 労働力調査など)
希望する就職ができず、不安定な働き方を余儀なくされてきた。これは、個人の能力の問題ではなく、時代が生んだ社会の構造的な問題です。時代が悪かったといえばそこまでですが、結局自分でどうにかするしかないのです。
まずは知ることから!国が本気で進める「就職氷河期世代」向け支援とは?
「もう40代だし、今さら…」と思っていましたが、実際に私もこの支援を活用して転職をした一人です。2020年から国が本腰を入れて私たち就職氷河期世代のキャリアアップを後押しする「支援プログラム」を進め始めています。これを使わない手はありません。
そもそも「就職氷河期世代支援プログラム」って何?
これは、政府が主体となって進めている、就職氷河期世代の活躍を応援するための集中支援プログラムです。2020年度から始まり、多くのニーズに応える形で2025年3月末まで延長されました。その後も継続して検討が行われており、令和7年度より支援の対象を中高年世代(概ね35歳から59歳)へ拡大しました。
プログラムの目的
- 氷河期世代が抱える課題を解決し、希望する就職を実現する
- 正規雇用への転換を促進し、安定した生活基盤を築けるようにする
これまで社会から十分な支援を受けられなかった私たち世代に、ようやく光が当たり始めました。このチャンスを活かして、新しいキャリアへの扉を開きましょう。


【具体例】どんな支援が受けられるの?3つの主要な支援策
「具体的にどんなサポートがあるの?」と思いますよね。ここでは、私が特に注目し、実際に活用を検討した3つの主要な支援策をご紹介します。
1. 短期資格取得コース|未経験からでも挑戦しやすい
ハローワークなどを通じて、未経験からでも正社員就職を目指せる無料の職業訓練(ハロートレーニング)や、短期の資格取得コースが数多く用意されています。
- コース例:
- ITスキル: プログラミング、Webデザイン、ITパスポート
- 事務・会計: 簿記、ファイナンシャルプランナー
- 専門職: 介護職員初任者研修、宅地建物取引士(宅建)、キャリアコンサルタント
- その他: フォークリフト運転、ビル管理
これらのコースは、人手不足の業界や成長分野に特化していることが多く、リスキリングから就職までをスムーズにつなげられるのが大きな魅力です。
2. 専門実践教育訓練給付金|最大で受講料の70%が戻ってくる
「本格的なスキルを身につけたいけど、専門学校やスクールは高くて…」と諦めていませんか?
そんな時に絶対に活用したいのが「専門実践教育訓練給付金」という補助金制度です。これは、厚生労働大臣が指定する専門的・実践的な教育訓練講座を受講した場合、支払った受講料の最大70%(年間上限56万円)が国から支給される、夢のような制度です。
給付金のポイント
- 対象講座: DX関連、AI、データサイエンス、看護師、美容師、Webマーケティングなど多岐にわたる
- 給付率: 受講費用の50%(年間上限40万円)。さらに、受講修了後に資格取得などをし、正規雇用されると追加で20%(合計70%)が支給される仕組みです。
3. 採用企業への助成金|企業側にも私たちを雇うメリットが
私たちを雇う企業側にもメリットがある制度、それが「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)」です。
これは、就職氷河期世代の人をハローワークなどの紹介で正規雇用した企業に対して、国が助成金を支給するというもの。
- 中小企業の場合: 1人あたり最大60万円
- 大企業の場合: 1人あたり最大50万円
この制度があるおかげで、企業は採用のハードルを下げやすくなります。「経験やスキルが少し足りなくても、ポテンシャルを見て採用してみよう」という動きにつながりやすいのです。これは、私たち求職者にとって大きな追い風になります。
私がリスキリングを決意した3つの理由|キャリアの停滞感を打ち破るために
国の支援が手厚いことは分かりました。でも、新しいことを学ぶのは勇気がいりますよね。ここで、私が重い腰を上げてリスキリング(学び直し)を決意した、3つの正直な理由をお話しします。
理由1:自分の価値を感じてもらえる職場で働きたい
正直、前職の仕事はどれだけ頑張っても、どれだけ会社の売上に貢献しても、給与に反映されないことに、ずっと虚しさを感じていました。
「自分のスキルや知識という『価値』で評価されたい」
「自分の力で稼いで、胸を張って生きていきたい」
この強い思いが、専門スキルを身につけて大きな原動力になりました。自分の価値を正当に評価される働き方を目指したのです。


理由2:AI時代への危機感「今の仕事、10年後もある?」
私が担当していた事務作業は、正直なところ、誰にでもできる定型的な業務がほとんどでした。ニュースで「AIが仕事を奪う」という言葉を聞くたびに、背筋が寒くなるのを感じていました。
「このままじゃ、真っ先にAIに仕事を奪われる側になってしまう」
この危機感が、AIや自動化に代替されにくい、より専門的で創造的なスキルを学ばなければいけない、という切迫感につながりました。未来のキャリアを考えたとき、リスキリングはもはや選択肢ではなく、必須になると。同じ仕事ができるなら若い方がよいし、賃金も安い方がよい、採用者はそう考えるでしょう。私にしかできない強みを持たなければ、自分の立場が危うくなる、そう感じました。
理由3:もっと稼げるようになりたい
これが一番大きな理由かもしれません。自分の生活もそうですが、親を旅行に連れて行ったり、食事に連れて行ったりしたいと思いました。
そのためには、自分がもっと稼げるようになるしかない。それも原動力の大きな理由の一つです。
失敗しないリスキリング支援・補助金の選び方|3つのチェックポイント
せっかく勇気を出して一歩踏み出すなら、絶対に失敗したくないですよね。私が実際に支援制度を利用する上で「ここは押さえておくべき!」と感じた3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:今の自分に本当に必要なスキルか?流行りに飛びつかない
「プログラミングが稼げるらしい」「Webデザイナーがおしゃれでいいな」といった流行りやイメージだけで飛びつくのは危険です。
- 考えるべきこと:
- そのスキルは、自分の興味や適性に合っているか?
- 学び続ける情熱を持てるか?
- そのスキルを活かして、どんな働き方をしたいか?(例:在宅ワーク、フリーランス、会社員など)
まずは自己分析から始めましょう。ハローワークのキャリアコンサルティングなどを利用して、自分の強みや好きなことを棚卸しし、将来のキャリアプランと照らし合わせながら、本当に必要なスキルを見極めることが成功への第一歩です。
私はいくつか複合的に講座を受講したのですが、その中でも自分に向いているものと向いていないものがはっきりしていました。勉強すら苦痛になるものもあったので、ここはしっかりと考えたほうが良いと思います。
ポイント2:補助金の対象になる?ハローワークでの事前相談は必須
「この講座、補助金が使えると思って申し込んだのに、対象外だった…」なんてことになったら目も当てられません。
「専門実践教育訓練給付金」などの制度を利用するには、原則として受講開始日の1ヶ月前までに、ハローワークでキャリアコンサルティングを受け、申請手続きを完了させる必要があります。
必ずやること
- まずは最寄りのハローワークに行く。
- 「就職氷河期世代専門窓口」や「教育訓練給付金の相談窓口」で相談する。
- 自分が受けたい講座が対象かどうか、手続きの流れをしっかり確認する。
キャリアコンサルティングは予約が必要なので要注意です。詳しくは最寄りのハローワークに問い合わせをしてみてください。
ポイント3:学び終わった後の「就職サポート」はあるか?
スキルを学ぶだけで満足してはいけません。私たちの最終目標は「安定した仕事に就くこと」のはずです。
- スクールや講座を選ぶ際のチェック項目:
- キャリア相談やカウンセリング制度はあるか?
- 履歴書・職務経歴書の添削サービスはあるか?
- 面接対策はしてくれるか?
- 求人紹介や企業とのマッチング支援はあるか?
学びと就職がセットになっている、出口戦略までしっかりサポートしてくれるスクールや講座を選ぶことが、キャリアチェンジを成功させるための重要なカギとなります。
私はこの部分も重視して比較検討しました。実際にスクールの就職支援では就職しませんでしたが、マンツーマンで受講ができるか、卒業のための課題のハードルなども徹底的に調べてから申し込みをしました。
勇気を出して一歩前へ。支援プログラムを活用して未来を変えよう
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
かつての私と同じように、不安や焦りを抱えているあなたに、最後に伝えたいことがあります。
不安なのはあなただけじゃない。でも、行動すれば景色は変わる
新しい挑戦を前にして、不安にならない人はいません。私も「今さら勉強しても身につかないかも」「また失敗したらどうしよう」と、一歩を踏み出すのが本当に怖かったです。
でも、忘れないでください。私たちはこれまで、厳しい時代を必死で生き抜いてきたサバイバーです。その経験で培われた忍耐力や真面目さは、必ず新しい学びの場で活かされます。
そして、一番大切なのは「行動すること」。不安な気持ちのまま、何もしなければ、1年後も同じ場所で同じ悩みを抱えているだけかもしれません。でも、ほんの少しでも行動すれば、見える景色は確実に変わっていきます。
小さな行動が大きな変化に。まずは無料相談から始めてみませんか?
いきなり大きな目標を立てる必要はありません。まずは小さな行動が、未来の大きな変化につながります。
- 今日からできることリスト
- ハローワークのウェブサイトで「就職氷河期世代支援」のページを見てみる。
- 「教育訓練給付制度」の対象講座を検索してみる。
- 気になるスクールの無料説明会やオンライン相談に申し込んでみる。
すべて無料です。失うものは何もありません。
氷河期世代は恵まれていないと言いますが、国の支援プログラムという追い風が吹いている今こそ、キャリアを変える絶好のチャンスです。未来の自分を変えたいと思ったら、まずは行動をしてみることをおすすめします。